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ご挨拶

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貝谷 久宣

一般社団法人日本筋ジストロフィー協会
代表理事

 一般社団法人日本筋ジストロフィー協会は平成25年5月に創立50周年を迎えました。協会の大きな運動目標の一つは病気の原因解明の促進でした。この甲斐あって研究が目覚ましく発展し、筋ジストロフィー各病型の責任遺伝子がどんどん明らかになってきました。そうなりますと筋ジストロフィーを一つにくくって活動することには医療面でも福祉面でも種々な問題が生じてきます。このような情勢のなか、平成24年秋に福山型筋ジストロフィーの分科会が設立されました。これは神戸大学の戸田達史教授により福山型筋ジストロフィーの責任遺伝子が同定され、遺伝子治療の研究を開始されたのが大きなきっかけとなったのでした。そして、日本筋ジストロフィー協会では遺伝子治療に先駆け患者さんの遺伝子登録事業を始めました。このような時局を鑑み、将来、日本筋ジストロフィー協会は各病型の分科会を基本組織とした筋ジストロフィー協会ホールディングといった形の団体となるべきだとの考えに至っておりました。

 協会会員にはパワーのある若者が必要だと常々考えている折、武田伸一神経研究所所長から当事者であり筋ジスの研究者がいることを知り、早速ご本人にお会いしました。その方は顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの患者さんであり医学士でもありました。また、もうひと方、同じ病型で筋肉の研究をされている方にめぐりあいました。このようなパワーのある若いお二方と共にもう一人古い会員であり福島県支部長を歴任した八代弘理事も加えて顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの分科会を設立してくれると私はもくろみました。このようなメンバーを中心にして平成26年度の筋ジストロフィー総合班会議(平成27年1月9日)で顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの研究者である田中裕二郎、三橋弘明、三橋里美の各先生にお集まりいただき班会議終了後即席の顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー分科会設立準備会を開催いたしました。昨年3月には田中先生が在籍される東京医科歯科大学の一部屋をお借りして分科会発足の第1回会議が持たれました。私は精神科医としてひそかに「筋ジストロフィー各病型の人間学」をすべきヒューマンウオッチングをしております。現在までの知見では顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの患者さんはやり手で活動的な人が多いという見解です。それ故、この分科会は日本筋ジストロフィー協会の中でも最もパワーフルな分科会に育っていくものと期待しています。現在、私が望むところは、福山型に続き患者主導の顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの遺伝子登録事業を始めることです。この事業は分科会会員の結束を強める強力な原動力となると確信しております。この可能性が見え出したら全力で資金集めに努力したいと考えております。この分科会が“杯を浮かべる小さな流れから大河”になってほしいと願っています。 
平成28年6月10日

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八代 弘

顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー分科会
分担理事

今から十年前に気管切開で命を救われ、混沌とした生活の中で筋ジストロフィー協会の大切さを改めて認識しています 。二刀流ではありますが、呼吸(NPPV)のQOL向上と、9つのタイプがあると云われている筋ジストロフィーの治 療に向けて、この顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)の根本治療に向けて進んで行ける様にありたいと思ってい ます。
 海外では診断技術と治療に向けた基礎研究は進んでおりますが、日本では私のタイプの筋ジストロフィー(FSHD) は研究者と研究機関の数は少なく、発症原因の特定など基礎研究の取組への、異なっているのが現状です。
 日本筋ジストロフィー協会(FSHD患者分科会)として、まず疫学的調査が進み「遺伝子検査の保険適応」を目標に、 基礎研究の連携強化と、診断技術の確立と根本治療に向けて、国内の研究機関は元より、海外のFSHD研究グループと の情報交換等を通して当事者の立場から、多くの方に広く正しく情報発信と理解を深める為の活動をしたいと思っています。 
 患者分科会として、活動を目指すという事は決定されていますが、このFSHDタイプの方々は、半分が女性とも思われ、中 学生頃に初めて病気に気が付く人から、多少の障害がありますが、現役で仕事と社会生活を送っている方もおられます。 
 FSH Society(アメリカ)ではFSHD患者は、世界中で870,000人もいると推定していますが、日本では15,000人程になってきます。 
 FSHD専門グループ化する事により、患者さんが日本に何人いるのか、その人達の為に、教育・福祉・医療等どのよう な政策が必要なのかの把握が必要です。そして今後どの様にすべきかを、計画検討してもらう為の働き掛けが、この会の 目的の一つでもあると思います。 
 貝谷理事長の挨拶にある様に、日本筋ジストロフィー協会として強く纏まり、各病型の違いでの、抱えている問題の解決 には分科会を基本組織として取り組む事も必要です。 以上の事などにより、医学情報登録に向けてのFSHD_WG(ワーキンググループ)に向けての組織が出来て準備世話人会とい う事でスターとアップミーティング行いました。 
 私は筋ジス協会の活動が長いのと、還暦も過ぎて多少時間的に余裕があったという事で、発起人の一人として、此処で挨 拶をさせて頂いていますが、今後多くの方々に、この日本筋ジストロフィー協会(FSHD患者分科会)に仲間として入 って頂き、大きな流れを作って頂ける様にお願い致します。 
平成28年6月10日

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