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FSHD Japanの沿革

FSHD Japan 設立の経緯

 

 FSHD Japanが設立される2015年以前の日本のFSHDを取り巻く環境は、次のようなものでした。

 ​まず、日本筋ジストロフィー協会は地域支部(都道府県)ごとに会員管理を行っており、病型ごとの会員名簿がありませんでした。というのも、日本筋ジストロフィー協会は地域の互助会という性格が強く、地域支部ごとで完結しており、わざわざ全国各地のFSHD患者同士で連絡を取り合う必要がないと思われていたのでしょう。

 そのような状況の中、基礎研究の進展により、2010年代にはFSHDの複雑な遺伝学的原因やDUX4遺伝子の重要性が明確になりました。つまり、FSHD治療薬の標的が明らかになったのです。当然、DUX4遺伝子(DUX4タンパク質)を標的とする治療薬の開発に対する期待がFSHD患者の中で高まりました。

 しかし、当時はFSHDの患者登録制度がなく、全国のFSHD患者に対して治験のリクルートを行う手段がなかったのです。もし将来治療薬の治験が行われるとなった時に困らないように、事前にFSHDの患者登録制度を整えておきたいと考えるのは自然な流れです。

 さらに、インターネットの発展により、欧米の先進的な取り組みをクリック一つで見られるようになりました。欧米での先進的な取り組み、つまり、FSHD専門の患者会が医療製薬関係者を巻き込んで治療薬開発の主導権を握っている状況を、日本のFSHD患者はこの時に初めて知ることになります。お医者さんや製薬関係者が開発してくれるのをただ待っているだけではなく、患者が主体的に医療製薬関係者を巻き込んで治療薬開発のために働きかけなければ、治療薬を手にすることはできないということに気がついたのです。

 こうした状況から、FSHD専門の患者会を日本でも作るべきだという機運が高まり、2015年に日本筋ジストロフィー協会の中に「FSHD分科会(FSHD Japan)」が設立されました。

FSHD Japan 設立の目的(設立当初)

 FSHD Japanが2015年の設立当初に掲げた目的は、次のようなものでした。

患者登録の実現

情報提供体制の整備

  • 早期段階での診断に向けた情報提供(FSHDは臨床の拠点病院がない)

  • FSHD当事者への情報提供

FSHDコミュニティの拡大

  • 海外のFSHDコミュニティと連携できるFSHD専門の患者会へ

  • 基礎/臨床研究者と交流し、研究の啓発を行う

  • 多くの方に支援いただくためのネットワーク作り

 2015年に日本筋ジストロフィー協会内に「FSHD分科会」として設立後、FSHD Japanはこれらの目標を着実に達成し、さらに大きな目標に向かって歩みを進めています。

​沿革

2014

日本筋ジストロフィー協会とFSHD分科会設立に向け協議

2015

日本筋ジストロフィー協会内にFSHD分科会を設立

2016

アメリカFSHD Societyにコンタクトを取り、アメリカの学会に初参加

2019

フランス・マルセイユで開催された第一回FSHD国際患者会に参加

2020

患者登録「Remudy」のFSHD患者登録開始

2024

患者登録「Remudy」のFSHD患者登録200人を達成

2025

FSHD分科会のファンドレイジング機関として、NPO法人 FSHD Japan設立

© 2025 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー患者会(日本筋ジストロフィー協会 顔面肩甲上腕型分科会)

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